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「子どもたちの生命を守り、未来をひらくために」

2006年2月22日

私は、公明党豊島区議団を代表いたしまして、「子どもたちの生命を守り、未来をひらくために」と題し、1、健康政策について、1、子どもの安全対策について、1、特別支援教育について、1、その他として、地下鉄13号線、仮称「雑司ヶ谷駅」について、以上4点にわたり一般質問をさせていただきます。
初めに、第1点目として、健康政策についてお伺いいたします。
現在、日本の平均寿命は世界でも最高水準にありますが、一方で、食生活・運動習慣等を原因とする生活習慣病の増加と、これに伴う認知症や寝たきりなどの要介護状態にある方の増加が深刻な社会問題になっております。すべての人が健やかで心豊かに生活できる社会を実現するためには、疾病の早期発見や治療にとどまらず、積極的に生活習慣病予防や生涯を通じた健康増進運動を強力に推進していく必要があります。
国は、平成12年3月に、疾病を予防し健康を増進する一次予防に重点を置いた健康日本21を定め、これを推進するために、平成14年8月に健康増進法が公布されました。本区におきましても、昨年3月に豊島区健康推進プラン21を策定され、ライフステージに合わせた健康づくりを8分野において具体的に取り組んでいく方針が示されています。
そこで、区長の所信表明にもありました健康政策も含め、質問いたします。
まず、この豊島区健康推進プラン21は、平成17年度を初年度とする10カ年計画になっており、最初の3年間を立上げ期としております。重点的取組みも多数示されておりますが、理念や目標で終わらないために、活動の効果を評価するシステムを整備することが重要であると考えます。実施回数や参加人員といった実績主義を手段として評価し、最終効果を確認していくことが必要であると思いますが、この点についてのお考えを伺います。
また、区長の提唱された「としま健康づくり大学」や女性を対象とした健康教室はぜひ成功させたい取組みですが、そのためにも、まず健康診査を受け、自身の身体状況を知ることが健康への第一歩であると考えます。現在、区民が受けられる健康診査については、もっと周知することが必要であり、乳がんや子宮がん検診などは2年に1度のためわかりにくく、受診をやめてしまう方もいらっしゃると伺っております。健康診査やがん検診の体制を再度しっかりと整備し、区民が受診しやすい体制づくりを進める必要があると考えますが、いかがでしょうか。
これまで、私ども公明党は、日本のがん対策の問題点を明らかにするため、昨年、対策プロジェクトチームを発足させ、治療の地域間格差解消や専門医の育成等を推進してまいりました。また、国も、がん対策推進アクションプラン2005を策定し、本格的に対策に取り組み始めました。早期発見・早期治療が最重要であることから、区民の検診の受診率を上げていく施策が必要と考えます。また、特に乳がんに関しましては、若い年齢層からの発見が多く、死亡率は昭和40年代に比べ4倍以上になっております。未婚や晩婚化など、女性のライフスタイルの変化が女性特有のホルモン、エストロゲンの分泌を促し、発がんに大きく影響を与えているといわれており、厚生労働省は、乳がん検診受診率を50%まで引き上げるとしております。本区におきましても、生活習慣を見直して予防に力を入れる、区民への意識啓発が重要であると考えます。がん予防の健康教室などは、現在どのように取り組まれているのか、また今後どのように充実させていくのかをお伺いします。
さらに、若年から更年期までの女性を対象とした健康教室の開催についてでありますが、女性の身体は思春期から生涯にわたって変化をしていくため、あらゆる心身の悩みを抱えた方が多く存在いたします。しかし、問題がデリケートなため、なかなか言い出しにくいというのも現実です。病院へ行った方がよいのかどうなのか、それさえ悩んでいる方がいます。板橋区では、「女性のための健康相談」と題し、一般健診と女性の医師による相談をセットで実施しておりますが、保育付きのこの健診と相談は毎回大盛況で、40名の定員以上の応募があるため、お断りする方が出てしまうと担当者が言われておりました。本区におきましても、このような健診と合わせた健康教室の開催をぜひ積極的にご検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

高野区長答弁

 ただいまの高橋佳代子議員のご質問に対しまして、順次お答え申し上げます。
初めに、健康政策についてお答えいたします。
昨年3月に策定いたしました豊島区健康推進プラン21は、区民一人一人が豊かで充実した人生を送るため、若年から可能な限り生活習慣病を予防し、高齢期においても寝たきりや認知症にならないで、心身ともに自立した活動的な生活ができる健康寿命を延伸していくことを目的としております。そのため、この計画では、食生活や運動、休養、喫煙など、8分野にわたって、個人の生活習慣の改善など、健康づくりの行動指針を掲げ、それを支援する行政・地域の取組みとともに、個別の健康指標を提示しております。計画の進行管理につきましては、ご指摘のように、事業の実績評価が重要でありますところから、定期的に各部局での取組状況の把握や区民の意識・行動調査を行い、進捗状況を明らかにしていきたいと考えております。なお、生活習慣病予防に関しましては、高血圧や高血糖、脂質異常の症状を合わせ持つ内臓脂肪症候群、いわゆるメタボリックシンドロームが生活習慣病の発症リスクの高い予備軍として注目されておりますことから、こうした最新の科学的知見に基づく健康指標の再設定も検討しながら、施策の効果測定などの評価システムを導入していきたいと思っております。
次に、基本健診やがん検診の受診しやすい体制づくりについてでございますが、がん検診につきましては、厚生労働省の実施指針が変更になり、乳がんと子宮がんの検診が従来の毎年受診から2年に1度となり、本区でも平成17年度より受診が隔年になりました。そのため、区民の方から受診できるかどうかのお問合せも多く、わかりにくい面もあることから、平成18年度におきましては、経過措置を検討いたしたいと考えております。また、区民健診の拠点でございます豊島健康診査センターについては、区の重点施策にも挙げておりますように、平成18年度に精密な磁気共鳴画像診断装置であるMRIの更新等を行い、最新の検査体制を整える予定でございます。こうした検診体制の整備とともに、さらに健診事業の実施期間の延長等についても医師会と協議を行い、区民の皆様が受診しやすい体制づくりに努めてまいりたいと考えております。
次に、がん予防教室の開催についてのご質問にお答えいたします。がんの発生や進行につきましては、食生活やたばこ、アルコールなどの毎日の生活習慣と大変密接に関わっておりますことから、予防が何よりも重要であると考えております。がん予防教室の開催につきましては、今年度、池袋保健所におきまして、乳がんや前立腺がんの予防教室や禁煙教室を開催したところでございます。次年度に向けましても、さらに広報に努め、がん予防教室を開催するとともに、住民健診やその他の様々な機会を捉えまして、がん予防の普及啓発に努めてまいりたいと考えております。
次に、検診と合わせた健康教室の開催についてのご質問にお答えいたします。ご要望の事業展開につきましては、18年度新規事業として、「女性のしなやか健康づくり」を立ち上げる予定でございます。この事業は、若年から更年期までの女性を対象に、骨密度検診に合わせた健康教室を実施するものでございます。さらに、若年には、健康教室のときに一般健診も合わせて実施する予定でおります。区では様々な健診を行っておりますが、健診後の結果を踏まえた保健指導や健康相談、健康教室など、健診後の指導が特に重要であると考えております。したがいまして、健診後の体制につきましても、今後、さらに充実するよう努めてまいりたいと考えております。

健康政策の最後に、昨日ほかの議員が触れられておりました食育について、若干の提案をさせていただきます。
小中学校では栄養士が中心となり食育の授業が展開され、「早寝・早起き・朝ごはん」の標語もあるように、朝食を食べないとテストもできないなど、朝食をとることの大切さが再認識されております。現在、マクドナルドや大手スナック菓子メーカーは、社会的責任から、積極的に食育に取り組まれております。カルビーは、管理栄養士の資格を持つ社員を学校に派遣し、スナックスクールを開催しております。児童にとって、一番身近なおやつの適量を学習することによって、食への意識啓発ができるのではないでしょうか。本区の食育におきましても、このような企業と連携した進め方も有効であると考えますが、いかがでしょうか。また、食育は子どもの頃からの取組みが大切であることから、小学校に女子栄養大学から講師派遣をお願いし、食教育を展開されてはいかがでしょうか。お伺いいたします。

 日高教育長答弁

食育に関するご質問にお答えします。
本区におきましては、学校栄養士や養護教諭を中心に、食育に関する優れた研究実践が行われており、食育への取組みが充実しております。さらに、社会人のゲストティーチャーによる食育の授業を行うことは、子どもたちの食に対する興味・関心を高めることにもつながると考えています。既に企業と連携した食育を行っている小学校もありますが、今後も、公立学校の役割を踏まえながら、民間の活力を生かした食育にも取り組んでまいりたいと考えております。
次に、小学校への女子栄養大学からの講師の派遣についてのご質問にお答えします。既に、本区では、女子栄養大学からの講師を活用して、総合的な学習の時間における食育の指導を行っている中学校があります。今後、小学校においても、地元の女子栄養大学のお力を借り、専門家から食の重要性やバランスのとれた食事の大切さを学ばせていきたいと考えております。

第2点目として、子どもの安全対策についてお伺いいたします。
2001年6月に大阪教育大学附属池田小学校において児童等殺傷事件が発生して以来、子どもが犠牲になる事件が続発しております。昨年も、11月には広島市で、12月には栃木県で、ともに小学校1年生の児童が犠牲になるという痛ましい事件が起こりました。本区内におきましても、連れ去り未遂事件が起こるなど、いつ誰が被害者になってもおかしくない、大変緊迫した状況にあります。そんな中、本区では、小中学校を初め、幼稚園、保育園、児童館などの子ども施設には防犯カメラの設置が進められ、安全対策が前進していることに対しましては高く評価いたします。しかしながら、これで大丈夫ということはなく、今後の子ども施設の安全対策について、どのように取り組まれていくのかお伺いいたします。
また、子どもの被害は下校や帰宅途中が最も多く、その意味からも通学路の見直しが喫緊の課題であります。度重なる事件で、文部科学省は、昨年12月に「登下校時における幼児児童生徒の安全確保について」という緊急の通達を出しております。今から40年以上前、交通事故死亡者が多発し、重大な社会問題となりました。特に、昭和34年には15歳以下の死亡者が2,000人を超え、東京都は同年、「緑のおばさん」と呼ばれる学童擁護員制度を発足させました。昭和38年には通学路指定が始まり、歩道橋が登場し始めます。当時の主眼はあくまでも交通安全対策にあったため、メーン通りの1本奥まった道などが通学路と指定されており、現在のような犯罪が多発する時代にあっては、人目がなくてかえって危険な道もあるのが実態であります。この通学路の指定に関しまして、設定基準や設定方法は自治体によって異なりますが、本区においての通学路の指定方法や考え方をお伺いいたします。また、設定基準について、今後どのように検討されていくのか、お考えをお聞かせください。
平成15年には、本区におきまして、各校がこども110番の地図を作成し、校長先生がお礼のごあいさつに協力者宅を訪問されたと伺っております。今までは、通学路について、大人の目から見た危険箇所のチェックをしておりましたが、子どもの目線で地域を見直すことが必要であります。東京都も「地域安全マップづくりの推進」を掲げており、総合学習の時間などを利用して、実際に街に出て子どもと一緒に危険箇所を地図に記す、通学路の総点検を早急に行う必要があると考えます。世田谷区では、現在、全校共通のチェックシートを使用した通学路の安全採点を実施しております。本区では、地域安全マップについて、どのように取り組まれていくのかお聞かせください。
また、平成16年度からセーフティ教室が実施されておりますが、特に小学校低学年については、身を守るための方法を習得する貴重な訓練であります。教職員の危機管理意識を向上させる意味からも、年に1回のセーフティ教室をさらに拡充するよう検討されてはいかがでしょうか。防犯アニメのレンタルビデオなどもつくられているようですので、そういったものを活用して、学校でも家庭でも繰り返し学べる犯罪・危険回避マニュアルを作成し、セーフティ教室や家庭での防犯学習の教材とされることを提案いたします。また、幼稚園や保育園の児童は、小学校に入学した途端に、保護者から離れ、自分で行動しなければなりません。小学校1年生が相次いで犠牲になっていることから、セーフティ教室を入学前の年長児に拡大されてはいかがでしょうか。入学前に防犯の意識啓発をし訓練をすることは大変有効と考えますが、いかがでしょうか。合わせてお伺いいたします。
さらに、本区が小中学生に貸与しております防犯ブザーについてでありますが、実情を見ると、ランドセルに付けたままになり、帰宅後、遊びのときも携帯するという当初の目標には程遠い状態にあります。防犯ブザーはより使いやすいものを追求し、首から下げるものなどを検討されてはいかがでしょうか。また、中学生になると携帯率も著しく低下します。この点につきましても、どのようにお考えなのかをお聞かせください。
また、今、登下校時の防犯パトロールが全国的な動きとなっております。文部科学省も、18年度は地域ぐるみの学校安全体制整備推進事業に17年度の約2倍の予算である14億円を計上しております。本区におきましても、各校での集団登校やパトロールなど様々な取組みが行われてきましたが、防犯力の強化のため、各校で見直しが行われていると伺っております。今、学校と保護者、地域が一体となった防犯体制を早急に構築していくことが求められております。先駆的に取り組んでいる愛知県春日井市では、市民に対して、防犯や安全について幅広い知識を習得するための春日井安全アカデミーを開校しております。講座終了後には、それぞれの市民がボニターとして地域で活動されております。ボニターとは、ボランティアであり、提言や要望を行うモニターでもあるという意味の造語であります。東京都も学校安全ボランティアのスクールガード養成講習会を始めておりますし、スクールガードを指導し、専門的な立場からアドバイスするスクールガード・リーダーは、18年度に全国で2,400人、およそ10校に1人配置される予定であると伺っております。本区として、地域ぐるみの安全体制づくりについて、どのように取り組まれていかれるのかお伺いいたします。

日高教育長答弁

 今後の子ども施設の安全対策についてのご質問にお答えします。
小中学校と幼稚園や保育園などの施設では、門扉の施錠や監視カメラ等の基本的な安全対策を施すのは当然のことですが、施設の運営状況等により、施設設備による安全対策には限界があります。したがいまして、危機管理マニュアルの作成、職員の研修とセーフティ教室の実施など、ソフト面をさらに充実していくとともに、地域ぐるみの安全対策を心掛けていくことが極めて大切なことであると認識しております。しかしながら、議員ご指摘のとおり、これで大丈夫ということはありませんので、安全対策を最重要課題として引き続き充実してまいります。
次に、本区における通学路についてのご質問にお答えします。
まず、設定方法でございますが、通学路は、各小学校で、教職員が実地調査を行い、所轄の警察署、道路管理者、地域の関係者の意見を踏まえ取りまとめ、教育委員会の承認を経て決定いたします。通学路を決める基準には、交通量、歩道等の整備状況、また、踏切など危険箇所の有無、いかがわしい広告・看板の有無などがございますが、議員ご指摘のように、これまでは交通安全の基準を重視しております。教育委員会といたしましては、広島県、栃木県で児童が下校途中に殺害された事件を受け、直ちに全校に通学路の再点検を指示し、既に全校で実施したところであります。今後は、交通安全と合わせて、昼でも暗い場所や人通りのない道は避けるなど、防犯対策の視点に立った安全な通学路の設定について、学校側と検討してまいります。
次に、地域安全マップについてのご質問にお答えします。
これまで、地域安全マップはほとんどの小学校で作成されていますが、本年1月には、東京都教育委員会主催の地域安全マップ作成の講習会に、区内の全小学校から教員が参加しました。この講習会は、教員と子どもが一緒になって地域安全マップを作成することによって、予知能力が希薄である子どもの危機管理意識を育て、子どもの視点に立った地図づくりを行うという内容であります。現在、この講習会の成果を生かし、各学校で新たなマップの作成が始まったところです。また、今月末に東京都から各小学校に地域安全マップ作成教材ビデオ及び指導者マニュアルが送付される予定であり、これらも参考にしてまいりたいと考えております。
次に、セーフティ教室についてのご質問にお答えします。
セーフティ教室については、平成16年度に開始し、平成17年1月には、各小中学校にセーフティ教室実践事例を配付いたしました。各小中学校では警察の協力の下にセーフティ教室を実施しておりますが、来年度の実施に向け、内容の充実を図るために、本年2月に全小中学校の生活指導主任と区内3警察署の生活安全課の職員が集まり、セーフティ教室の充実のために意見交換を行いました。今後、警察の派遣体制とも相談しながら、充実してまいりたいと考えております。また、本年度、区立幼稚園でも、セーフティ教室として、幼児と保護者、地域の方々と連携しながらの防犯訓練を行い、園児がスムーズに避難することができるようになったなどの成果を上げております。また、区立保育園でも、スクールサポーターを招くなどして、防犯訓練に取り組んでおります。小学校入学前の子どもにも、このような訓練は大変有効であると認識しており、さらに充実してまいります。
防犯教材につきましては、平成15年度に「豊島区子ども防犯マニュアル」を作成しております。防犯ブザーの使い方、見知らぬ人への対応の仕方、エレベーターの乗り方、大声の出し方など、いざとなったときの対処方法についてまとめたものです。毎年更新する「子ども110番の家マップ」と一緒に全児童に配布しておりますが、家庭でも学校でも繰り返し学べるように、さらに具体的な教材の開発に取り組んでまいります。
次に、防犯ブザーについてのご質問にお答えします。
防犯ブザーは年々改良を加えられ、より使いやすいものがつくられており、新1年生用の防犯ブザーは、議員ご指摘のとおり、首から下げられるものを用意しております。また、中学生になりますと小学生と比較して危険回避能力が高まりますが、緊急時の対応として防犯ブザーを携帯することは、やはり中学生にとっても大切ですので、引き続き防犯ブザーの携帯を指導してまいります。
次に、地域ぐるみの安全体制づくりについてのご質問にお答えします。
子どもたちの安全を確保するために、この2月に豊島区学校安全対策推進計画を策定いたしましたが、この計画は、地域ボランティアの活用により、地域ぐるみでの安全体制づくりに視点を置いております。特に、学校内、通学路とも、保護者と町会や地域の育成団体等の地域住民の協力を得て、地域の総合力として子どもたちを守っていくことが一番有効な方法であると考えております。そこで、各学校ごとに、保護者を中心とした地域ボランティアを組織するため、既に学校やPTA、地域団体に働きかけを行っております。また、ボランティア活動の実効性が上がり、継続的に実施していくために、東京都のスクールガード養成講座や子ども安全ボランティアリーダー養成講座の活用と治安対策担当との連携によるボランティア育成研修を実施してまいります。

さらに、防犯対策として重要なのは、犯罪情報の共有化であります。本区におきましては、昨年4月より、私どもの提案により、豊島区安全・安心メールが実施されておりますが、登録者の拡大と情報収集の体制強化を図る必要があると考えます。学校や地域からの情報はもちろんのこと、警察と連携して、いち早く区内の犯罪情報を配信できるシステムの強化が必要と考えますが、いかがでしょうか。
また、日常から警察と子どもの安全対策について、行政はもちろん、地域や保護者、学校も含めて情報交換をすることが重要であると考えます。既に生活安全協議会に青少年健全育成部会があることは承知しておりますが、むしろ、子ども安全対策部会というように、子どもの非行防止ばかりでなく、子どもを犯罪から守ることを中心としてはどうかと考えますが、いかがでしょうか。

山木総務部長答弁

 次に、子どもの安全対策についてのご質問のうち、犯罪情報の共有化についてお答えいたします。
ご指摘のとおり、情報の共有化は、防犯対策を進める上で大変重要なものでございます。昨年4月から始めました安全・安心メールにつきましては、本年1月末現在、4,600余りのご登録をいただいております。新学年を迎えるに当たり、改めて保護者の皆さんを中心に登録を呼びかけ、拡大に努めてまいります。
また、情報の収集体制の強化についてでございます。これまでのメールのうち、不審者については、その多くが不審者を目撃した児童・生徒の保護者等から連絡を受けた学校や直接児童・生徒から情報を得た児童館等からの情報によるものでございます。また、警察からもひったくりや振り込め詐欺等に関する情報提供を得て、メールの配信をしております。その他、今年度後半に入りまして近隣区でもメール配信が始まりましたので、これを入手し、隣接区域についての情報でありましても、必要な場合には、改めて本区の登録者の皆様にもお知らせしております。今後、さらに多様な情報ルートを確保し、適時適切に、様々な情報を配信していきたいと考えてございます。
次に、生活安全協議会の部会を子ども安全対策部会というように、健全育成はもちろん、犯罪から守ることを前面に出すべきではとのご質問についてでございます。
ご指摘のように、昨今の子どもをめぐる社会情勢の中で、非常に大きな関心は、犯罪から子どもを守るということでございます。青少年健全部会におきましても、これまでも検討の中心はそうした安全対策でございました。このため、新年度から、名称を実態に合わせるとともに、学校長もメンバーに加えるなど、より充実した対策の検討組織として再編してまいりたいと考えてございます。

子どもたちの生活環境については、5年前に江戸川区で実施された調査によりますと、4割近くの子どもたちに何らかの被害経験があり、公園での被害件数が最も多かったというデータが出ております。公園については、見通しを遮る植栽がないか、道路からの見通しがよいか、ごみがなく手入れが行き届いているかなどが防犯対策として重要なポイントとなります。区内の公園の現状と今後の対策についてお伺いいたします。
さらに、区内を歩いておりますと、暗い道がまだあるように感じます。街路灯の必要な照度が保たれていることも、防犯対策としては大切なことであります。暗がりチェックや街路灯の照度点検など、現状と今後の取組みについてお聞かせください。
未来を担う子どもたちを守るのは、私たち大人と社会の責任であります。子どもたちを守るという視点から地域の防犯力を向上させていくことは、子どもだけでなく、女性や高齢者も含めたすべての人々が安心できる街を確立することにもなるからです。全力で取り組んでいただくよう、強く要望いたします。

増田土木部長答弁

 次に、公園の安全確保の現状と今後の対策についてのご質問にお答えいたします。
本区では、子どもの被害を未然に防ぐために、平成15年10月、東京都安全・安心まちづくり条例に基づく防犯上の指針により、公園について緊急点検を実施したところでございます。この指針には、ご質問でご指摘がございました項目が含まれております。引き続き、指針に基づき、公園等の見通しを確保するための樹木の剪定や間引きの実施、遊具などの配置の見直しを実施しております。また、日常的には、公園巡視員による公園の巡回により、ホームレス対策やごみの放置に迅速に対応しております。このような取組みに加え、改めて防犯の視点から全公園などを7月までに点検し、園灯の照度調査などを実施し、電球の交換による明るさの向上など、可能なものから実施してまいります。
次に、街路灯の明るさ等の確保の現状と今後の取組みについてのご質問にお答えいたします。
ご質問のように、明るい街路灯は防犯対策として有効であることから、区では、1万3,501基の街路灯を設置・管理しているほか、町会が設置している928基の防犯灯への維持管理費の補助を行っております。また、商店街灯については設置補助を行い、一体となって地域の防犯対策に取り組んでおります。区民の方から街路灯設置のご要望が寄せられますと、職員が深夜に照度計で計測いたします。住宅地域における最低基準の0.5ルクスの明るさが確保できていない場合には、ご要望がございました周辺を含めて、暗い電球を取り替え、それでもなお明るさが不足するときには街路灯の新設も検討してまいりました。昨年度より、設置から30年以上経過した老朽街路灯の改修5カ年計画に取り組み、113基の街路灯の改修が終了し、一段と明るくなっております。当面、この取組みの早期達成を目指してまいります。また、町会と連携して、暗がりチェックを行うなど、安心できるまちづくりに一層取り組んでまいります。

第3点目として、特別支援教育についてお伺いいたします。
近年、障害のある人もない人も同じ社会の一員として自立して社会参加を目指すという、ノーマライゼーションの考え方が進展してきました。また、小中学校に在籍する児童・生徒のLDやADHD、高機能自閉症など、障害の重複化や多様化が深刻な問題となっております。文部科学省の調査によると、このような発達障害と診断される児童・生徒は、全体の6.3%に上るといわれております。そこで、今までの特殊教育から、一人一人の教育ニーズに合わせた特別支援教育への転換が行われることになり、東京都では、平成16年から25年までの10カ年を計画期間と定め、16年度から4区市においてモデル事業を実施してまいりました。
本区におきましても、18年度から2校のモデル実施を行う予定になっております。まずモデル実施をして、検証結果と今後の課題を精査し、全校に拡大していくことになりますが、計画が明確に提示されておりませんので、保護者からは不安の声も出ております。そこで、具体的な豊島区特別支援教育の推進計画をお伺いいたします。
先日、私どもは、東京都のモデル実施4カ所のうちの2カ所である北区の赤羽小学校と八王子のNPO・CEセンターを視察してまいりました。やはり、人的配置に一番ご苦労されているようで、専門性の高い教員の育成が急務であると感じました。手探りのモデル実施ではありますが、八王子でも、また赤羽小学校でも、改善事例が報告されており、確実に成果が出てきております。
まず、この判定についてですが、幼少期にできるだけ早く変化に気付き対応することによって、大きく影響が出てくるとのことであります。そこで、幼稚園・保育園での対応と、そして小学校への連携というものが非常に大切になってくると伺いました。本区でも幼稚園・保育園との連絡協議はほかの面でもされていると伺っておりますので、これについても合わせてお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
また、この特別支援を必要とする児童は、ほとんどの学級に在籍すると思われますが、周りの児童・生徒にも大きく関わってくることを考えますと、あらゆる方々、保護者の皆様の認識と理解というものが大変重要になってまいります。そこで、新1年生の就学時の説明会の折に、一人一人を大切にする教育という観点で、ぜひ皆様にお話ししていただきたいのでありますが、いかがでしょうか。お伺いいたします。
また、特別支援学級での指導を必要とする児童の判定システムについては、教育委員会に専門医や臨床心理士、学識経験者などを加えた専門の委員会設置が必要であります。この委員会の適切な判断や指導力が本区の特別支援教育に大きな影響を及ぼすことから、教育委員会としてどのようにお考えなのかお聞かせください。また、判定に使用されるアセスメントシートの作成につきましては、どこのモデル自治体も苦労されているようです。判断基準となる大切なものですので、教育委員会として共通のシートを作成されてはいかがでしょうか。お伺いします。
また、実施に当たっては、各校が特別支援教育コーディネーターを指名することになっております。このコーディネーターは、周りの医療や心理相談機関など、多くの支援者との調整役を担う重要な役割にあります。既にモデル実施の地域では主幹や通常学級教員、養護教諭などが指名されておりますが、本区の考え方をお伺いいたします。また、校内での支援について検討する校内委員会の整備についてもお聞かせください。
特別支援教育については、教員の意識向上が何よりも大切であり、東京都で行っている研修は各区市から1人程度しか参加できないことから、区で行う研修の充実が不可欠であります。全教員が軽度発達障害や特別支援教育に対する理解を深められるよう積極的な研修会の実施が求められますが、本区における取組みについてお伺いいたします。
私は、これまでも特別支援教育の説明会開催を教育委員会に求め、実施していただいてまいりました。少しでも多くの方に理解を深めていただきたかったからであります。むしろ、普通学級の児童と保護者に理解していただくことが重要であると考えますが、意識啓発はこれからというのが現実かもしれません。1度や2度の説明ではなかなか理解が難しいかもしれませんが、繰り返し説明会を開催し、学校保健委員会を利用して軽度発達障害についての理解を深めることなどもできます。加えて、教育だより豊島に連載記事を掲載する等、あらゆる手立てを駆使して広報活動を進めていく必要がありますが、いかがでしょうか。
また、特別支援教育につきましては、人的配置が大きく影響を与えると考えます。しかし、現在、予算措置については明らかになっておらず、自治体の財政状況に大きく左右されることになります。予算確保も重要な課題となることから、私ども公明党は、国と東京都に様々な観点から要望をいたしました。いずれにしても、大切なのは、知識の詰込みに終始するのではなく、児童・生徒一人一人を尊重し、将来を見据えた人間教育を展開していくことであります。そのためには、保護者との意見交換を十分にし、理解を得ることが大切であります。偉大な仕事を成し遂げた人に、発達障害であった方が多くいらっしゃいました。いずれも、保護者や周囲の方からの懸命な支援があり、いかに子どもへの励ましが大切であるかを実感いたします。アメリカの大教育者デューイは、「社会の変革は教育によってなされるのであり、学校は新しい社会をつくり、過去の弊害を取り除き、新たな方向へと発展させる」と語っております。デューイの教育理念の特色は革新性であり、生徒にとって何が最善かを常に考え、自らを変革し、新しいものを常に取り入れていったといわれます。学校と家庭、学校と社会が子どもの幸福のために手を取り合い、子どもの未来を輝かせていくことを願うものです。

日高教育長答弁

  次に、豊島区における特別支援教育の推進計画についてのご質問にお答えします。
本区では、平成16年度に特別支援教育検討委員会を立ち上げ、平成19年度からの本格実施に向けて、具体的な検討を行ってまいりました。まず、これまでの固定の心身障害学級、通級指導学級が成果を上げてきたことを踏まえ、基本的に維持していくとともに、それを基盤として、新たに全小中学校に特別支援教室を設置し、指導を展開いたします。平成18年度は、モデル校2校を設置し、通常の学級に在籍する軽度発達障害のある児童・生徒等に対する支援体制づくりを行います。また、特別支援教育は、学校と関係機関との連携の強化が何より必要であり、今後、これまで以上に都立養護学校や関係機関との連携を図ってまいります。なお、人的配置等について、都の方向性が十分定まらない部分もありますが、今後も都の動向を踏まえ、適切に対応してまいります。
次に、幼稚園・保育園と小学校との連絡協議の実施についてのご質問にお答えします。
議員ご指摘のとおり、特別な支援を要する子どもたちへの指導の効果を高めるためには、早期に気付くことが重要であるといわれております。そのためには、就学前の適切な対応と小学校への円滑な接続のための情報交換が肝要であると考えております。今後、区立幼稚園・保育園と小学校との連絡協議会を設け、就学後の指導の効果を高めるよう、相互の連携を深めてまいります。
次に、就学時の説明会における保護者への啓発についてのご質問ですが、特別支援教育の理念や方法につきましては、就学時の説明会のみならず、保護者会等において説明し、理解・啓発を図っていくことが必要であると考えております。
次に、専門の委員会の設置についてですが、専門家チームによる適切な判断や指導は、特別支援教育を支える大きな柱であると考えております。よって、本区でも、医師・学識経験者・臨床心理士・校長・都立養護学校コーディネーター等を構成メンバーとする専門家チームを設置し、判定や各学校への指導・助言を行ってまいります。
次に、共通のアセスメントシートの作成についてですが、さきに述べた専門家チームにおいて、本区の実態に応じたシートを作成するよう検討してまいります。
次に、特別支援教育コーディネーターの指名についてですが、本区におきましては、本年度、全校で指名しております。コーディネーターは、保護者や関係機関との窓口となる重要な役割であり、校内組織に適切に位置付け、その立場を明確にしております。
次に、校内委員会の整備についてですが、本年度は、全校に校内委員会を設置しております。校内委員会は、コーディネーターを中心に、管理職や主幹、養護教諭、スクールカウンセラーなどで構成されており、ケース会議等を通じて、子どもの実態把握や指導方法の検討を行っております。今後は、専門家チームなどによる巡回相談を行い、校内委員会の機能を高めてまいります。
次に、研修会の実施についてのご質問にお答えします。
本年度は、コーディネーターを対象とした3日間の夏季集中研修を行うとともに、管理職対象の研修会や主幹及び主任を対象とした研修会を実施いたしました。また、発達障害に関する研修会など、特別支援教育に関する研修会の参加率は、非常に高くなっております。このように、本区では、教員に対する啓発やその指導力の向上に向けた実践的な研修を行ってまいりました。また、各校におきましても、校内研修会を実施し、具体的な指導のあり方等について研修を深めております。今後も、研修会の内容を充実・発展させ、教員の理解を深め、その専門性を高めるよう努力してまいります。
次に、広報活動の推進についてのご質問にお答えします。
特別支援教育を推進するためには、何よりも保護者や区民への理解・啓発を促進していくことが肝要であると考えております。特別支援教育は、学校教育のみならず、社会全体で行っていくものであります。今後も、教育だより豊島や広報としま等で情報提供するとともに、区民への啓発を図ってまいります。

最後に、地元の問題として、地下鉄13号線の仮称「雑司ヶ谷駅」について質問いたします。
いよいよ平成19年度の開通に向けて工事も順調に進んでおり、出入口につきましてはかねてよりの懸案事項でありました。駅周辺には地形的に高低差があり、大学が近隣にあるため、人の流れも考慮しなければなりません。また、目白通りの出入口の設置については、地元の強い要望があり、私もこれまで長橋都議会議員と地元の方々と揃って、東京メトロに伺い、要望してまいりました。19年度の開通を考えますと、そろそろ方針が確定するのではないかと考えております。現在の進捗状況をお聞かせください。また、費用負担の部分はどのようになっているのかお答えください。
さらに、駐輪場につきましても、かねてから問題となっておりますが、一向に方向性が見えてきません。環状5の1号線の地下道路の可能性を考えますと、地下への設置も厳しく、地上の土地確保も容易ではありません。この件につきましても、早急にメトロと協議をし、方針を明確にする必要があると考えますが、いかがでしょうか。
以上をもちまして、私の一般質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)

 高野之夫区長答弁

次に、地下鉄13号線、仮称「雑司ヶ谷駅」の出入口の位置についてのご質問にお答え申し上げます。
駅の出入口については、歩道などの道路区域内に新設することができないため、沿道の用地買収や土地の使用承諾などが必要となります。池袋側の出入口につきましては、環状5の1号線の東側に用地取得が完了し、工事が進捗しております。一方、新宿側につきましては、決定が遅れておりましたが、ようやく関係者との協議が調い、出入口の設置予定位置が決まったとの報告を東京メトロより受けたところでございます。報告によれば、新宿側には出入口が3カ所設置されることとなります。1カ所目は、目白通りに直接出られるように、環状5の1号線東側の目白通りに接した場所に予定されております。この場所は、地元から強く要望が出されていたものでございまして、目白通り沿道にお住まいの方や多数の学生の利用が見込まれる出入口になると考えております。2カ所目は、千登世橋教育文化センターの地下1階、現在、雑司が谷図書館として使用されている部分に接続し、センターの正面から明治通りに出るものです。こちらの出入口については、高田地区の方々から強く要望が出されていたものでございまして、千登世橋に上がらなくても駅にアクセスできるようになります。3カ所目は、教育文化センターの地下に入らず、そのまま地上部に上がって環状5の1号線の歩道に出るものでございます。出入口設置に伴う費用についてでございますが、4カ所とも、地元負担はなく、すべて東京メトロの負担で設置いただけることになりました。ただし、教育文化センターの内部については、改修が必要な場合は区が行うこととなります。時期は大変遅れましたが、当初2カ所であった出入口が4カ所で決定し、雑司が谷、目白、高田地区の皆様の長年にわたる強い要望が実ったことは、区といたしましても大きな喜びでございまして、ご尽力をいただきました関係者の方々に改めて感謝申し上げる次第でございます。
次に、駐輪場の確保についてのご質問にお答えいたします。
ご質問にもありますように、仮称「雑司ヶ谷駅」は新駅でありますので、区といたしましても、対策の必要性を重視し、平成15年から東京メトロとの協議を重ねております。この駅周辺での駐輪場整備目標は、池袋駅に近く、また高田方面からは上り坂であるなどの地域特性から、自転車利用者も限られ、概ね200台程度としております。現在、東京メトロと個別協議を進めておりますが、駐輪場用地の提供につきましては、地下通過道路の建設計画があり、また地上部でも新たに用地を確保する必要があることから、現状では困難な状況にあります。そのため、千登世橋教育文化センターの敷地や道路空間等を活用した整備の方策も検討しております。また、東京メトロからは区の放置自転車対策に可能な限り協力をしたいとの申し出を受けておりますので、駐輪場の確保を含めた効果的な放置自転車対策に向け取り組んでまいりたいと思っております。